FREE WORLD
*気ままに更新していくので適当にスルーしておいてください・・・。
赤いレンガの家々が立ち並ぶ路地を、街灯がぽつりぽつりと照らしている。
夜も更け、少し肌寒く感じる。
こんな時間になっても、あちこちの工場からは昼間と変わらない音が聞こえてくる。
まぁ、工業でなんとか成り立っている街だからいつもの事だ。
BAR『プリオール』
馴染みの酒場で足を止める。
古びた焦げ茶色の建物に、静かにネオンが光っている。
幾分背の低い扉をくぐると、中は賑わっていた。
「やあ、レアンさん。いつものでいいのかい?」
「ああ、頼む」
ここでは主人に俺好みを特別にブレンドしてもらっている。
メニューに載っていないのにそのままの値段でいいと言ってくれてるのでありがたい。
何気に周りを見回す。
小さな街なのでほとんどが見たことのある顔だったが、見慣れない女がいた。
嫌に露出度の高い服を着ている。
じろじろ見たつもりはなかったが目が合った。
俺は面倒なので目を逸らす。
だがその女は馴れ馴れしく真っ直ぐ近寄ってきた。
ニヤニヤと口元に笑みを浮かべている。
「お兄さん、格好良いわねぇ」
馴れ馴れしい女だ。
答えてやる義理も無い。
「何よ、私の身体に見とれてたんでしょ? お兄さんみたいに格好良い人だったら…私は別に拒否しないのよ…?」
「フン… 馬鹿馬鹿しい。興味無いね」
女は鼻を折られ、さも不満気な顔をした。
「ふーん…。さてはホモなのね」
「ご想像に任せるよ」
ますます怒りの表情が見て取れる。
こんな男にかまうのは諦めてさっさとどこかへ行けばいいのに。
「じゃあ、何に興味があるの?」
「…金かな」