灼熱の大地で
砂漠。
どこまで行っても砂、砂、砂。
燃え盛る太陽が砂だけでなく、ヒソカの肌をもじりじりと焦がした。
「こんな仕事受けなくてもいいのに」
ヒソカは大分前を歩いているゴンに言った。
「しょうがないじゃん。困ってる人がいるんだから」
「ああ…汗でベタベタだよ。冷たい湖で水浴びしたい…。早くしないと、僕のキレイな肌が黒くなっちゃう」
「ヒソカはもっと焼いたほうがいいと思うよ」
「ゴン、今日は随分と冷たいんだねェ?」
「だって、ヒソカが勝手についてきたんじゃん。せっかくの休みなんだから家で待ってても良かったのに」
「ゴンと一緒に仕事がしたかったんだ◆」
「それはホントに嬉しいんだけどさ。あとちょっとだから頑張ってよヒソカ」
「ううーん、もうダメ…」
「あっ」
ゴンは後ろを振り返りながらヒソカに声援を送っていたが、ゴンが見守る中、ヒソカはとうとう倒れてしまった。
ゴンは慌てて駆け寄る。
「ヒソカ、ヒソカっ」
ヒソカはすっかり気を失っていて揺さぶっても目覚める気配が無い。
ゴンはタンクトップを脱いで裸になると、少しでも太陽を遮られるようにとヒソカの頭に被せて、もう一度辺りを見回す。
「困ったな…街まであと五時間はかかるし…。でもこのままだとヒソカが危ない。」
ゴンはヒソカと荷物を背負うと、それをロープで固定して再び街に向かって歩き出した。
相変わらずの灼熱が彼らを焼く。
ハンターであるゴンには大人一人分の重さくらい大したことは無かったが、さすがのゴンも脱水症状には勝てなかった。
容赦無く照りつける太陽は時間をかけて、その小さな体から水分と体力を奪っていった。
そしてゴンもまた、力尽きて砂の上で意識を失った。
「…なんだ、ゴン。この程度でへこたれてるのか」
薄汚れた旅人の格好をした通りすがりがゴン達を見下ろした。
伏せっているゴンの、頬に付いた黄色い砂を手の甲でそっと掃ってやる。
気付く様子も無い子供に、男は笑みを浮かべた。
「こんな調子じゃ俺を捕まえられるのはまだまだ先のことだな」
彼はボロボロのマントを二人に被せてやると、さっさとその場から逃げていった。
男が去ったその方向にはもう、すぐそこに街が見えていた。
End.
色々と突っ込みどころ満載ですが、気にしないでやってくださいm(_
_)m
ヘタレヒソカが書きたかった(笑)