体温





よく冷える。

今年は例年より寒いんだっけ。

でも、冬って「寒いもの」なんだから、例年より暖かろうが寒かろうが春や秋より寒いし、夏よりずっと寒い。

数字をつきつけられても感じるのは体なんだから、去年の寒さなんて覚えてないし比べられない。

よく昔はコンの暖かい毛の中で昼寝していたっけ―――

冬は大好きな季節、昔も今も。

寒さと向き合うと、感じることがいっぱいあるんだ。

「ねぇ、今、何を考えているんだい?」

ベッドの上で丸まっているとヒソカが不思議そうな顔をして尋ねてきた。

「今?冬のことを考えていたんだ」

「ふぅん」

暖かくて大きな手が頭を撫でる。

とても幸せなんだ、この体温が伝わるのが。

ヒソカも一緒になって丸まった。

コンと過ごした冬の日々を思い出す。

強くなってヒソカと闘いたいって気持ちもあるけど、今はこうやって一緒に丸まっていたいっていう気持ちの方が強い。

ヒソカも同じように思っているのかな?

甘えてもいいのかな?

体温は手探りで分かるけれど、気持ちは分からない。

もっと温まりたいなんて贅沢なのかもしれないけど、もう少し、もう少しでいいから温まりたいんだ。

ふとヒソカと目が合った。

「ゴン。ボクはもっと温かいほうが好きなんだ」

ちょっとほっとしたけど、ちょっと不安になるこの言葉。

困ったのが分かったのか、ヒソカはクスっと笑うと、俺の頭を撫でて、キスをしてくれた。

「さっきよりずっと温かいだろ?」

冬は大好きなんだ。
一番幸せになれる季節だと思うから。


End.


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「甘味処しょこら」のしょこらさんの所で2000Hitを踏んで戴いてしまいました!
「冬のヒソゴン」でリクエストさせて貰ったのですが、見事に暖かな素敵な作品になってて嬉しかったです><
寒い冬は暖かいヒソゴンで温まりましょう!
しょこらさん、ありがとうございました!!
来年も宜しくお願い致します☆



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